6月18日、私は赤坂ACTシアターへコインロッカーベイビーズを見に行った。
1ヶ月以上前に原作本を買い毎日少しずつ噛み砕いて読み、それはもうとにかく楽しみでワクワクしていた。
今回A.B.C-Zの河合郁人、橋本良亮が主演で実写舞台化されたコインロッカーベイビーズだが、ジャニーズJrからは真田佑馬も出ている。
原作を読んだ自分としては、
「これをどう舞台化するんだ!?」
というのが第1の心配だった。
この作品はうまく言い表す事ができないのだが、なにかすごく、人の心に訴えるものがあり考えさせられる。文章も全てストレートであり、世間的には「グロい」と言われるような事もオブラートに包むような言い方はしていない。だが、それでこそこの作品が成り立つ。もちろん性の表現も出てくる。でもいやらしく感じないというか、いや表現は生々しいのだが、全てコインロッカーに捨てられた2人が経験した中の一部であってこれだけ別に考えることがない。
そんなこの作品は、私の心配をいい意味で裏切った音楽劇に実写化された。
出演者全員の全身全霊かけた演技が見れた。
もう演技というよりも役そのものに見えてくるのだ。
だんだん壊れていくハシ、常に冷静だが内に何かを秘めていそうなキク。
そんな今回の舞台は原作のようにすごく心にくるものがあって最後のカーテンコールはスタンディングオベーションしながら泣きそうだった。いや、実際少し泣いてしまっただろうか。
二人の男が生きていくのに、ここまで壮絶な経験をすることがあるのだろうか。
コインロッカーベイビーズの世界は異世界のようで要所要所この現実世界を捉えている。 キクとハシだけでなく、出てくる人物皆全て人生をがむしゃらに生きているのだ。 重いのに面白く、(笑ってしまうという意味の面白いではなく)そして考えさせられる。この話は不思議な力を持っている。
どうか大千穐楽までキクとハシたちには突っ走っていってほしい、その滲み出る大きな生命力のオーラを持ちながら。
……出来ることなら、もう1度観たかった。